不動産売却前に知っておきたい契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いは?

2022-11-08

不動産売却前に知っておきたい契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いは?

この記事のハイライト
●2020年の民法改正により瑕疵担保責任は契約不適合責任へと変更になった
●契約不適合責任と瑕疵担保責任では法的性質が異なる
●契約不適合責任における免責特約などは、不動産会社に相談しながら決めることがおすすめ

不動産売却を検討している方のなかには「契約不適合責任」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
契約不適合責任とは、契約と異なるものを引き渡した際に売主が負う責任のことです。
法改正前は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と呼ばれていました。
トラブルのない不動産売却をおこなうためには、契約不適合責任について理解しておくことが大切です。
この記事では、瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いや、契約不適合責任のもとで不動産売却をおこなう際のポイントを解説します。
鎌ヶ谷市や白井市、松戸市にお住まいで、不動産売却を検討中の方はぜひ参考になさってください。

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瑕疵担保責任と契約不適合責任:民法改正

瑕疵担保責任と契約不適合責任:民法改正

2020年4月に施行された民法改正により、瑕疵担保責任は契約不適合責任へ変更となりました。
この変更によってもっとも大きな影響を受けるのは、不動産売却をおこなう売主です。
なぜなら法改正後の契約不適合責任は、売主にとってより厳しい内容になっているからです。
それぞれの概要を解説していきます。

瑕疵担保責任の概要

まずは法改正前の瑕疵担保責任について解説します。
「そもそも瑕疵ってなに?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産における瑕疵とは建物の欠陥や不具合のことを指し、具体的には以下のようなものが該当します。
シロアリ被害
給排水水管の故障
雨漏り
外壁のひび割れ
土地の場合には、土壌汚染や地盤沈下などが挙げられます。
建物として本来あるべき性能がなければ、それは瑕疵と判断されます。
こうした瑕疵のなかでも、隠れた瑕疵に対して売主が責任を負うことを定めた制度が「瑕疵担保責任」です。
隠れた瑕疵とは、売買契約を結ぶ際に買主が知らなかった不具合や欠陥のことを指します。
たとえば、物件に雨漏りが起きていることを買主が認識していたり、容易に確認できた場合には「隠れた」瑕疵とはいえません。
なお、瑕疵担保責任において買主が売主に要求できるのは、契約の解除と損害賠償請求のどちらかのみです。

契約不適合責任の概要

続いて、法改正後の契約不適合責任について解説します。
契約不適合責任は、契約と異なるものを引き渡した際に売主が負う責任のことです。
契約不適合責任においては隠れた瑕疵かどうかは関係なく、契約書に記載があったかどうかが問題になります。
たとえば、ひび割れのある物件を売却したとして契約書に「ひび割れがあります」と記載されていれば、売主は契約不適合責任を負いません。
一方、買主がひび割れについて知っていたとしても、契約書に記載がなければ、契約内容と異なるものを売却したことになり、売主は契約不適合責任を負うことになります。

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契約不適合責任と瑕疵担保責任:双方の違い

契約不適合責任と瑕疵担保責任:双方の違い

瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更となり、どのような点が変わったのでしょうか。
ここでは瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いについて、とくに押さえておきたいポイントをご紹介します。

法的性質

これまでの瑕疵担保責任では「法定責任」とされていました。
法定責任とは、売主は目的物をそのまま引き渡せば責任を果たしたとみなされるところ、法があえて定めた責任のことです。
これまで不動産売買においては、売主の責任は目的物を引き渡すことであり、瑕疵については売主の責任ではないと考えられていました。
しかし、これでは買主が安心して不動産を購入できません。
そこで買主を守るために設けられたのが瑕疵担保責任であり、債務不履行とは別だと解釈されていたのです。
一方、改正後の契約不適合責任では、債務不履行責任の一種である「契約責任」となります。
契約責任とは、売買契約に適したものを引き渡すことが売主の責任とするものです。
そのため、契約書に記載されていない瑕疵が発覚した場合には、その瑕疵に対して売主は責任を負う義務があります。

責任を負う対象

瑕疵担保責任と契約不適合責任では、責任を負う対象にも違いがあります。
瑕疵担保責任では、隠れた瑕疵に対して責任を負うとされていました。
隠れた瑕疵とは、売買契約時に買主が認識しておらず、また注意を払っても気付けなかった瑕疵のことをいいます。
買主が売主へ瑕疵担保責任を問う場合には、建物の欠陥が「隠れた瑕疵」であることを証明しなければならず、実際には利用しにくい制度でした。
民法改正後の契約不適合責任では「隠れていた瑕疵」かどうかではなく「契約書に記載があるか」が重要なポイントとなっています。
もしも引き渡し後、契約書に記載のない瑕疵が発覚した場合に買主は売主へ責任を追及できます。

買主が請求できる権利

民法改正前の瑕疵担保責任では、買主が売主に対して請求できる権利は「損害賠償請求」と「契約解除」の2つでした。
契約不適合責任では、損害賠償請求と契約解除のほか、新たに「追完請求」と「代金減額請求」も請求できるようになっています。
なお、請求する順番は定めがあり、まずは追完請求をおこない、対応してもらえないときに代金減額請求となります。

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瑕疵担保責任と契約不適合責任:不動産売却のコツ

瑕疵担保責任と契約不適合責任:不動産売却のコツ

契約不適合責任の内容について理解したうえで、不動産売却をおこなう際のポイントをご紹介します。

契約書には既知の欠陥も必ず記載する

契約不適合責任では、瑕疵が発覚した際に契約書に記載があったかどうかがポイントとなります。
たとえ売買契約時に買主から了承を得ていたとしても、契約書に記載がなければ責任追及は免れません。
トラブルを避けるためには、既知の欠陥も必ず契約書に記載することが大切です。

免責特約を必ず設ける

売買契約書には、通知期間の特約を設定することも重要です。
もしも通知期間の特約を設定しない場合、民法上の時効である10年が適応されてしまいます。
つまり、不動産を売却してから10年間は、不適合を訴えられたら責任を負う必要があるということです。
これではあまりにも売主にとってリスクが大きく、売却後も心が休まりません。
売却後10年が経過するまでは「売却した物件に不具合が出ていたらどうしよう」などと不安になってしまうでしょう。
こうしたことを防ぐためにも、免責特約として通知可能期間を定めておくことが大切です。
瑕疵担保責任においては、売主の責任を「不動産を売却してから3か月」と定めることが一般的でした。
契約不適合責任においても、3か月程度を免責期間と定めておけば、買主に納得してもらいやすいでしょう。

設備に関する責任は負わない

築年数の経過した物件は、経年劣化により設備に不具合が生じているケースがほとんどです。
不動産における設備とは「​​建物と一体となって建物の機能を全うさせる設備」のことで、電気配線や照明、給湯設備など多岐にわたります。
これらの設備にまで契約不適合責任を適用させると、売主側の負担が大きくなってしまいます。
トラブルを回避するためにも、設備に関しては「付帯設備表」を作成しましょう。
付帯設備表とは、不具合や故障がないかなど、設備の状態を細かく記載した表です。
付帯設備表があれば、買主が設備の状態を把握できるため、購入後のトラブルを防ぐことができます。

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まとめ

売却後のトラブルを回避するためには、契約不適合責任についてしっかり理解しておくことが大切です。
しかし、免責特約の内容などは個人で判断するのが難しいため、信頼できる不動産会社へ相談することをおすすめします。
私たち「㈱未来地図」は、鎌ヶ谷市や白井市、松戸市周辺の不動産売却を専門としております。
不動産売却をお考えの方は、弊社までお気軽にご相談ください。

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